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May

愛車にリコールが発生! 対策が終わるまで「乗らない」ほうがいいのか?

リコールは設計・製造過程に問題があった場合に出される

リコールの通知のイメージ

愛車にリコールが発生! 対策が終わるまで「乗らない」ほうがいいのか?

 時折ニュースで聞いたり、目にしたりするのがリコール。対象になった場合、ディーラーから通知が来て、無償で部品交換や調整などを行ってくれるものだ。【写真】廃止されたリコール対策済みステッカー リコールは、設計・製造過程に問題があって、自動車メーカーが自らの判断で国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止するというもの。具体的には「同一の型式で一定範囲の自動車等またはタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行う」としている。 以前であればけっこう深刻なトラブルでもいわゆるリコール隠しが行われたこともあったが、昨今は意識の高まりもあって、罰則も含めてかなり厳格化されている。また、国土交通省は、リコール届出の過程において、以下のような役割を担っているとしている。・不具合情報の収集・分析・メーカーのリコールへの取組状況の調査・取組状況が不適切であれば指導又は監査等・届出内容が不適切であれば改善指示・メーカーが自主的にリコールを行わず、かつ、事故が頻発している場合には勧告・命令

ディーラー登録をしてウェブサイトで定期的に確認を!

車検場のイメージ

 引っ越しをしたケースや中古車として購入した場合など、ディーラーでユーザー登録をしていないこともあるため、届出があったリコールについては、プレスリリースの発行やウエブサイトへの情報掲載などの対対応も行われている。また、リコール隠しを防ぐため、ユーザーからの不具合情報も「自動車不具合情報ホットライン」を設けているので、不審に思ったら電話してみるといいだろう。 気になるのは、リコールの対象になった場合、「乗らないほうがいいのか」ということ。なかには乗るのが怖いという方もいるかもしれないが、実際のところ、保安基準に適合しない、もしくはその恐れがあるというレベルなので、すぐに問題が発生するものではない。 過去には死者が出ているようなものもあったが、緊急性のある対応は求められなかった。たとえばエアバッグの不具合の対応では、「リコールで交換しないと次の車検が通りません」というものだった。この場合は、問題が起こる可能性があったというレベルだったので、強制的にすぐに交換とならなかったのだ。 さすがに自動車メーカーが作るもので、大量に故障が発生して負傷者が大量に発生するようなことはないため、一見すると余裕のある対応となっているわけだ。 ただ、上記の国土交通省の対応の最後に「事故が頻発している場合には」という文言があり、けっこう深刻でも強制的かつスピーディな対応はしないようだ。 心配な方は、ディーラーでユーザー登録をし、ウェブサイトで該当していないかを定期的に確認するといい。また、中古車を購入した場合、「ウエブサイトで過去にリコールが出ていないか、出ている場合は該当車種になっているか」を見ておくといいだろう。 以前であれば、対策済みのステッカーが貼られていたが、現在は廃止されている。

近藤暁史