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ツインバード 二つの家電新ブランド

 ツインバード工業(新潟県燕市)は9日、主力の家電製品に二つの新ブランドを立ち上げると発表した。「Takumi Premium(匠(たくみ)プレミアム)」と「Kando Simple(感動シンプル)」の名称で、新しいロゴマークも作製。それぞれ高級感と使いやすさを前面に打ち出す。創業70周年に合わせたリブランディングで、既存のニッチ家電とは一線を画した製品展開で新たな企業イメージの浸透を図る戦略だ。

 1951年にメッキ加工で創業した同社は、約40年前に家電製造に参入。くつ乾燥機や頭皮洗浄ブラシといった独自性のあるニッチ製品で知られてきたが、大手メーカーと比べると認知度は低いままだった。

 そこで同社はニッチ製品と異なる視点で、より商品価値が高く、使い勝手を追求した製品による知名度の向上を模索。具体化させるために、新ブランドを設けることにした。

ツインバード 二つの家電新ブランド

 その一つの匠プレミアムは、「匠」と呼ばれる各分野の第一人者の技をモチーフにした高級路線のシリーズ。既存品の中から、東京都内のコーヒー専門店「カフェ・バッハ」店主の田口護氏の監修を受けた全自動コーヒーメーカーや、ヘッドスパ美容研究家の山本幸恵氏監修の防水ヘッドケア機を対象とした。

 一方、感動シンプルは、生活する上での困りごとを解決し、必要な機能を絞り込んだ使いやすい家電品のブランド。スリムで軽いコードレススティック型クリーナーなどの既存品のほか、新製品としてスチームオーブンレンジを同日発表した。

 レンジは、メニュー機能を「蒸す」「低温調理」といった四つの調理モードに集約するなど、シンプルな操作性が特徴。スチームを上下から包み込むように当てることで、せいろ蒸しのように仕上げられる。初の「製品アンバサダー」として料理家の和田明日香さんを起用し、オリジナルレシピなども製作してアピールしていく予定だ。

 都内で開いた発表会では、創業時のメッキを表す金や銀色を取り入れた新ブランドのロゴや新しい企業ロゴも披露した。野水重明社長は「社会に向けた約束として、心にささるものだけを作り出していく。時代に左右されない、ずっと安心して使える本質的な豊かさを提供していきたい」と話した。