08

Jan

ロボット掃除機「ルンバi3+」レビュー、クリーンベース付きの楽ちんモデルは最初の1台にもぴったり

アイロボットジャパンは、ロボット掃除機「ルンバ」の新製品となるi3シリーズを2月26日に発売します。価格はクリーンベース付きのルンバ i3+が99,800円、ルンバ単体のルンバ i3が69,800円(税込)です。さっそく試用機のレビューをお届けします。

ここ2~3年で登場したルンバは、 Sシリーズ、iシリーズ、eシリーズ、600シリーズの4つのシリーズ。アイロボットストアの直販価格(税込)は、Sシリーズのルンバ S9+が186,780円、iシリーズのルンバ i7+が142,868円、ルンバ i7が109,868円、eシリーズのルンバ e5が49,800円、600シリーズのルンバ 671が43,780円、そしてAmazon限定のルンバ 692が30,800円です。

このうちS9+とi7+は、ルンバ本体のダストカップからゴミを自動で吸引して、密閉式の紙パックにためておける「クリーンベース」が付いたモデル。クリーンベースがあると毎回ゴミ捨てをしなくてよいので便利なのですが、14万円を超える価格はなかなか手を出しづらいでしょう。そこに今回、クリーンベース付きで10万円を切る新モデルのi3+が加わり、購入のハードルが下がりました。

指紋やホコリが目立ちにくいファブリック調デザイン

i3シリーズは表面にファブリック調のデザインを施しており、ほかのルンバとけっこう違うところです。特殊な印刷技術を使って仕上げたというこのファブリック調、立体的で高級感があります。

従来のルンバは、黒いボディーがメカメカしくてかっこいいのですが、使っているとホコリや指紋が目立つようになるんですよね。i3シリーズのファブリック調なら、見た目がキレイなまま。ちなみに試用機を2カ月ほど使ってますが、この通り。本体表面の汚れは気になりません。

i3シリーズのダストカップは、上位モデルのi7シリーズやS9+、人気モデルのe5と同じく、水洗い可能。微細なゴミを取り除くダストカットフィルターも備えています。エントリーモデルの600シリーズは、ダストカップは洗えず、フィルターもありません。

底面のブラシも、i7シリーズ、S9+、e5と同様に、ゴム製のデュアルアクションブラシとなっています。髪の毛などが絡みにくく、絡んでも取り除きやすいので、手入れが楽です。

iRobot Homeアプリに対応。上位モデルとの違いはマッピング機能

スマートフォンとの連携もサポート。「iRobotホーム」アプリを使ってルンバを操作できます。iRobotホームアプリからは、曜日や時間を設定して掃除のスケジュールを組んだり、スマートスピーカーと連携したりも可能です。

i3シリーズと上位モデルとの違いは、家の間取りを学習記憶する「Imprintスマートマッピング」機能の有無です。i3シリーズでは間取りの学習記憶はなし。間取りを覚える上位モデルでは、iRobotホームアプリを介して掃除する部屋の指定や進入禁止エリアを設定できるのですが、i3シリーズはこうした機能には対応しません。

ロボット掃除機「ルンバi3+」レビュー、クリーンベース付きの楽ちんモデルは最初の1台にもぴったり

ただ、Imprintスマートマッピング機能を備えていないメリットも。Imprintスマートマッピング搭載の上位モデルは、間取りを把握するために本体内蔵のカメラを使いますが、部屋の明るさによっては状況を把握しにくく、途中で止まってしまうことがあります。しかし、i3シリーズはカメラを備えていないので、暗い部屋でも変わらず清掃ができるというわけです(障害物の検知などは内蔵センサー)。

ルンバ i3+の掃除性能をテスト

ここまで概要を整理してきましたが、肝心の掃除性能はどうでしょうか。i3+を使った掃除の様子を見ていきましょう。

まずはフローリングと絨毯の掃除をチェック。重曹と猫砂を10グラムずつ用意し、フローリングと絨毯にそれぞれまきます。全部で40グラムの疑似的なゴミを散らして、i3を走らせました。

そしてi3の掃除をスタート。直線的な動きでフローリングと絨毯の上を行ったり来たりしてゴミを吸っていきます。内蔵センサーがゴミを判別し、ゴミの多い場所を念入りに掃除する「ダートディテクトテクノロジー」の動作です。重曹や猫砂をまいたところを繰り返し掃除しています。

掃除が終わって確認すると、絨毯の上は重曹も猫砂もすっかりキレイに。フローリングのほうは、溝に入り込んだ重曹は取れていましたが、猫砂はブラシで弾いてしまったようで少し残っていました。

i3の吸引力は600シリーズの約10倍で、上位モデルのi7と同等。絨毯の上をしっかり掃除している様子を見ていると、パワー実感します。ちなみに、e5の吸引力は600シリーズの約5倍、S9+はなんと約40倍です。

一度部屋を掃除してから再び同じように重曹と猫砂をまき、掃除前後でi3のダストカップの重さを比較してみました。掃除前は240グラムだったダストカップ、掃除後は278グラムになっており、散らした疑似ゴミは40グラムなので、約95%は一度の掃除で吸引しています。

数粒の猫砂が残るなど完璧な結果ではなかったものの、ロボット掃除機ですから、一日に何度か掃除するのもよいでしょう。自力で何度も掃除機をかけるのはイヤですが、スイッチを押すだけなら苦になりません。汚れが気になるときは朝夕に1回ずつ掃除するなど、いつでも気持ちよく過ごせますね。

家具の脚まわりもていねいに掃除

家具の脚まわりはどうでしょう。ダイニングテーブルとイスのまわりに、重曹と猫砂をまいて掃除してみます。

イスがたくさんあるような場所は、何もない場所に比べてi3は複雑に動き、いろいろな方向から家具にアプローチしていきます。家具に柔らかく当たりながら掃除するためか、底面のブラシがイスやテーブルの脚まわりにもしっかりと届き、キレイになりました。ただ、i3が入り込みにくい場所はゴミが残りやすいので、掃除をする前にイスを動かすなどして通り道を作るとよいでしょう。

i3のバンパー部分がセンサーになっていて、家具に触れつつ掃除をするので、例えば布をかけた家具やカーテンを取り付けた窓のギリギリまで、しっかり掃除してくれます。家具に近づくときには減速しますが、物理的な接触が発生することで家具の傷が心配なときは、多少面倒ですが家具にカバーを付ける手もあります。

【動画】布をかけた家具の下にもしっかりと入り込みます(大きな声が流れます。ご注意ください)

センサーも進化しています。数年前のルンバは玄関の段差から落ちることがあったので、バーチャルウォールを設置していました(赤外線によって仮想的な壁としてルンバに認識させる周辺機器)。i3+は段差をしっかり検知し、今のところ玄関から落ちていません。センサーの進化を感じます。

また、ソファ下などだんだん奥にいくにつれて天井が低くなっている場所の掃除では、i3本体上部の「リアクティブセンサー」が上部の状況をチェック。家具と床のすき間にはさまって動けなくなってしまうことを防ぎます。

家全体について掃除の仕方を見ていると、1つの部屋から廊下や玄関、別の部屋へと掃除していくので、広くキレイになります。1つの部屋だけ掃除したい場合は、ドアや襖(ふすま)を閉めておきます。e5や600シリーズは一部屋ずつ掃除するため(廊下や別の部屋との境界にもよります)、廊下などの掃除は基本的に苦手。我が家のように複数の部屋や廊下があるような住宅では、i3シリーズ以上がよさそうです。