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20年後のロボット掃除機はどう進化していくのか? ロボットのプロに聞いた!

――これから発売されるロボット掃除機といえば、なんといってもダイソン初のロボット掃除機・ダイソン360Eyeです。残念ながら今年春の発売予定が、発売日未定となってしまいましたけど。

古田 ダイソン360EyeはカメラSLAM(Simultaneous Localization and Mapping:同時に位置確認と地図化)という技術を使っている、レーザーSLAMのカメラ版ですね。魚眼レンズがついていて、それでまわりを、ぐるっと360度見渡して、おおまかな地図を作りながら動くんです。

ダイソン初のロボット掃除機・ダイソン360Eye製品裏側カットモデル。独自のサイクロン機構を搭載する

――カメラだとレーザーよりも物体を認識しやすいんですか?

古田 カメラSLAMで動くロボット掃除機は初めてなので、どう動くかは未知数だし、これは動かしてみないとなんとも言えないですね。ただカメラを使うロボット屋の共通の悩みなんですが、どうしてもカメラセンサーには弱点がある。カメラだから光が必要なんですね。暗いと見えないし、部屋が真っ暗だとだと使えないんです。要は状況によって、センサーがまったく機能しないってことがありえるんですよ。

20年後のロボット掃除機はどう進化していくのか? ロボットのプロに聞いた!

――でも現在、発表されてる形だと、ダイソン360Eyeはカメラがメインのセンサーになってますよね。

古田 そうですね。たとえばホームベースに戻るのも赤外線センサーは使わずに、カメラで見てるんです。だからホームベース(充電ドック)に大きなQRコードのような格子状の模様が入ってる。このカメラを使ってホームベースに戻る技術ってソニーが過去に販売していたペットロボットのAiboと同じなんですね。光に左右されるから、なかなか実用されてこなかったんです。ペット型ロボットなら、ときには主人のこと認識しなくても「今日は機嫌悪いのね」って思えるし、ホームベースに戻れなくて迷子になってもかわいいなあで済ませられるんですけど、ロボット掃除機だと頻繁なミスは許されないからね。

――では、カメラセンサーの利点ってなんなんですか?

古田 ひとつは価格がレーザーセンサーに比べて安いこと。ひとの顔、表情の認識をするには、現在、カメラ以外のすべがほとんどない状態なんです。レーザーセンサーなんか使うと危なっかしいしね。

――でも表情認識はロボット掃除機には必要ないですよね。

古田 だからダイソンのカメラSLAMがいかほどのものかすごく興味がある。これまでの常識で考えると、あまり向いてないセンサーなんです。部屋が真っ暗な場合や、強い西日で部屋の床がテカってたときの白トビをどう対処するのか。そこをどうして補ってくるのかってところに注目ですね。でも普通に考えるとカメラに頼るのは難しいんじゃないかな。