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「ルンバ」だけの便利アイテム! 「バーチャルウォール」活用法(1/3 ページ)

ロボット掃除機の種類もかなり増えているが、いまだに米iRobotの「ルンバ」シリーズ以外は持っていない機能がある。それは、赤外線を使って“見えない壁”を作り、ルンバの進入を防ぐ「バーチャルウォール」だ。もちろん他社製品にも似た機能はあるが、赤外線式がiRobotの特許技術ということもあり、ここまでシンプルかつ効果的なものは存在しない。

今回はバーチャルウォールに着目。その種類と便利な使い方、そして設置のコツをセールス・オンデマンド、製品企画部のプロダクトマネジャー、山内洋氏に聞いた。

「ルンバ」だけの便利アイテム! 「バーチャルウォール」活用法(1/3 ページ)

セールス・オンデマンド、製品企画部のプロダクトマネジャー、山内洋氏。右手に持っているのは「ルンバ980」に付属する「デュアルバーチャルウォール」だ

山内氏によると、日本で販売されたルンバは最初から一貫してパッケージに「バーチャルウォール」を同梱(どうこん)しているという。「初期のバーチャルウォールはかなり大柄で、社内では“だるま”などと呼んでいましたね。使用するときには電源スイッチを入れる必要もありました」(山内氏)。2011年の「ルンバ700シリーズ」以後は、ルンバに「スケジュール」機能が標準搭載となり、バーチャウォールもルンバの電源に連動して起動する「オートバーチャルウォール」に進化している。

スケジュール機能は、ルンバをタイマーで動かす機能。曜日ごとに掃除を始める時間を設定できる(写真は『ルンバ654』)

現在、バーチャルウォールには3つの種類がある。ベーシックモデルの「ルンバ654/622」および「ルンバ875」に付属しているのは、前述の「オートバーチャルウォール」。「ルンバ885」にはライトハウス(後述)機能とバーチャルウォールの機能を併せ持つ「お部屋ナビ」、そして最上位モデルの「ルンバ980」では、新たに「ヘイローモード」を備えた「デュアルバーチャルウォール」となった。3種類あるのはルンバ本体の機能差に起因しているが、赤外線による進入禁止というバーチャルウォール本来の機能に限れば、どのルンバでもすべてのバーチャルウォールを使用できる。

「ルンバ654」の「オートバーチャルウォール」

「ルンバ885」のライトハウス機能は、ある部屋を掃除しているルンバが次の部屋に移動しないように監視するゲートのようなもの。今いる部屋の掃除が完了するか、一定時間が経過しなければルンバは次の部屋に移動しない。「お部屋ナビには、部屋を区切る機能とルンバにその境界線を認識させる機能があります。『ルンバ980』を除くルンバシリーズは、基本的に1つの大きなスペースを掃除する形で動きますが、『お部屋ナビ』があれば3部屋までを順繰りに、念入りに掃除させることができます」(山内氏)

「ルンバ885」の「お部屋ナビ」

なお、ライトハウス機能が使えるのは、現行モデルでは「ルンバ885」だけ。例えば、同じ800シリーズの「ルンバ875」に別売の「お部屋ナビ」を組み合わせても動作しない点には注意が必要だ。その理由は、「お部屋ナビ」と「ルンバ885」は赤外線だけでなく、無線(RF)も使って通信しており、ルンバ875はRF通信機能自体を持っていないため。ルンバ885は、その部屋の掃除が完了したと判断すると、お部屋ナビに無線で知らせ、バーチャルなゲートを開けてもらう仕組みになっている。

また、ライトハウス機能には最大3部屋という制約があり、それを区切る「お部屋ナビ」は2つあれば十分だ。つまり、「ルンバ885」ユーザーが3つめの「お部屋ナビ」を購入してもあまり意味はない(2台は付属している)。もちろんバーチャルウォールとして使うことはできるが、その場合はより安価な「オートバーチャルウォール」(税込7020円)か、スリムで多機能な「デュアルバーチャルウォール」(税込8100円)がおすすめ。どちらも「お部屋ナビ」(税込9180円)より安い。

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