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Sep

<ライブレポート>1933ウクレレオールスターズ、ウクレレ七福神の奏でる音色がヨコハマに春を呼んだハッピーなステージ

<ライブレポート>1933ウクレレオールスターズ、ウクレレ七福神の奏でる音色がヨコハマに春を呼んだハッピーなステージ

サザンオールスターズのベーシスト・関口和之の呼びかけのもと、1933年生まれの高木ブーをリスペクトするウクレレ好きのミュージシャンたちが集結したバンド、1933ウクレレオールスターズ。高木ブー(象徴)、関口和之(キャプテン)、野村義男(ウクレレ王子)、荻野目洋子(歌姫)、分山貴美子(口笛女王)、はたけやま裕(カホン家元)、ヤナギマン (バンマス)という豪華な顔ぶれのバンドがBillboard Live YOKOHAMAで行った単独公演「ウクレレ七福神の来港! ~ヨコハマに春がやって来た」の1stステージの模様をお届けする。その他の画像 開演時間となり、関口和之、野村義男、荻野目洋子、分山貴美子、はたけやま裕、ヤナギマンが登場。関口、野村、荻野目、分山がウクレレ、はたけやまがパーカッション、ヤナギマンがベースという編成で、オリジナルのインストからライブがスタート。優しいウクレレの音色を基調としたアンサンブルに一気に南国の香りが匂い立つ。続いては、あの猛々しいイントロから始まる「ロッキーのテーマ」のウクレレカバー。途中、ヴァン・マッコイ&ザ・ソウル・シティ・シンフォニーの名ディスコ曲「ハッスル」も挟み込まれ、どんなジャンルにもハマってしまうウクレレの汎用性の高さと1933ウクレレオールスターズのメンバーの演奏力の高さを実感する。 ゲストのつじあやのが登場し、スタジオジブリの映画『猫の恩返し』主題歌の「風になる」を披露。強い意志が貫かれた涼やかな歌声がどこまでも伸びていく。続いて、関口のアルバム『UKULELE CARAVAN』に収録されているつじが詞曲を手がけた「ウクレレキャラバンのうた」へ。さらに、今日だけの特別企画として、つじと荻野目のデュエットによるザ・ピーナッツの「恋のバカンス」のカバーも聴けた。美しいハーモニーとエキゾチックなアンサンブルに大きな拍手が起こる。 関口が「ここで1933ウクレレオールスターズの象徴、あの方をお呼びしたいと思います。伝説のコメディアン、ウクレレ歴74年。レジェンドでございます」と呼び込み、アロハシャツ+レイ姿の高木ブーが登場。まずは、ハワイアンソングの定番の英語曲「珊瑚礁の彼方に」を伸びやかな歌声で披露。オーディエンスの手拍子が後押しする。関口が高木に対して「3月8日に誕生日を迎えまして、めでたく89歳になられました!おめでとうございます」と言う。高木「まだ89って言ってるうちはかわいい。90になったらジジイもいいとこだから。長さんと志村には申し訳ないけど(笑)」。関口「100歳まで頑張ってもらいたい。ブーさんならいけると思います」。高木「100歳で現役の芸能人っていないよね?それを狙おうかな」という1933ウクレレオールスターズならではの親密なやりとりが展開される。 フラダンサー2名を招いての高木がウクレレを始めた15歳の頃から好きだったという「ブルーハワイ」に続いては、関口が高木ブーと娘さんの関係性を曲に膨らませた「パパの手」が演奏された。子供が小さいときは親子で手を繋いで歩くが、10代になるとなかなか手を繋いでもらえなくなる。次に手を繋いでくれるのはいつなんだろうと考えると、もしかしたら親が子供の助けを必要とする時期なんじゃないか、という切実な思いを込めた楽曲だ。分山の口笛のイントロから、語り掛けるように高木が歌い始め、かけがえのない親子の関係性が描かれる。「言葉ではないってことを教えてくれる。伝えてくれる。幸せはここに」というたまらなく温かいフレーズで締め括られた。じんわりとした余韻に浸るオーディエンスに対し、高木が「聞いてると優しそうに聞こえるかもしれないけど歌うの難しいんだから(笑)。でも少しずつうまくなってきたな」と話すと、関口が「今日ばっちりです」と言い、この曲を高木に聞かせた際、「難しいから簡単にして」と言われたというエピソードを明かす。 関口がポロポロとウクレレを爪弾き、バンドが明るいリズムを奏で、Billboard Live YOKOHAMAのミラーボールが回る。トロピカルなアレンジを施されたジャズのスタンダードナンバー「ブラジル(世界は日の出を待っている)」だ。曲中で関口がひとりずつメンバーを紹介し、それぞれがしっかりと魅せるプレイで応えていく中で、「象徴です。高木ブー!」と呼びかけるが、椅子に座った高木は目を閉じて無反応。関口が笑顔で「ブーさん、寝てる場合じゃないですよ(笑)」と突っ込み、荻野目が高木の肩を揺らすと目を開け、オーディエンスが楽しそうな拍手を送る。さすがレジェンドだ。関口が「この七福神を乗せた宝船の船長、キャプテンの関口和之でした。ありがとうございました。また夏に会いたいなあ!」と再会を願うと、オーディエンスも大きな拍手でそれに応えた。 アンコールではゲストのつじあやのとフラダンサー2名を再び呼び込み、「最後と言えばあの曲でしょう!心で歌ってください」と関口が言い、高木が力強く「1、2、3、4!」とカウントアップし、ザ・ドリフターズの「いい湯だな」へ。高木の快活な「ビバノンノン」という歌を中心に、ピースフルな音像が場内を染め上げる。「手を洗えよ!」といった後の「また来週!…じゃないや(笑)」というセルフ突っ込みはもはや名人芸。そうやって、ウクレレの優しい音色や気軽さに魅せられた名うてのミュージシャンたちによる1日限りのライブは大団円を迎えた。 なお、この日の2ndステージの模様は生配信され、3月22日12時までアーカイブで視聴可能だ。TEXT:小松香里PHOTO:田中聖太郎◎公演情報【1933ウクレレオールスターズウクレレ七福神の来港! ~ヨコハマに春がやって来たゲスト:つじあやの】2022年3月20日(日)神奈川・Billboard Live YOKOHAMA<SETLIST>M1 OvertureM2 ロッキーのテーマM3 虫のつぶやき / 荻野目洋子M4 コーヒールンバ / 荻野目洋子M5 優しい奇跡 / 野村義男M6 Walk Don't Run / 野村義男M7 風になる / つじあやのM8 ウクレレキャラバンのうた / つじあやの & 関口和之M9 恋のバカンスM10 サンゴ礁の彼方にM11 ブルーハワイM12 パパの手M13 アクエリアスM14 ブラジル(世界は日の出を待っている)M15 いい湯だな配信詳細:

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