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史上最も賢いルンバが登場 “パートナー”のような存在になる「ルンバ j7」シリーズとは

 暮らしを豊かにしてくれる家電は、ライフスタイルに欠かせないものだ。 機能性やデザイン性に優れたものはもちろん、最近ではAIやIoTといったテクノロジーが発展し、いわゆる“ハイテク家電”も台頭するようになった。【動画】障害物を識別してスムーズな掃除をするルンバ 特にコロナ禍で、時間を有効活用するために時短や省力化のニーズも高まっている。 そんななか、部屋を自動で掃除してくれるロボット掃除機の代表格と言えるのがアイロボットの「ルンバ」だ。 2002年に初代ルンバを発売して以来、市場を牽引してきた商品であり、国内外含めて圧倒的なシェアを誇るロボット掃除機として知られている。 そんな市場を席巻してきたルンバが、今年で生誕20周年を迎える。 去る2月2日にはルンバの新シリーズをお披露目する発表会が行われ、新製品のロボット掃除機「ルンバ j7」シリーズの特徴やルンバの目指す清掃体験について説明がなされた。<アイロボット史上最高の知能とデザイン性を兼ね備えたモデル> まず冒頭では、アイロボット・コーポレーション CEO 兼 共同創設者のコリン・アングルが米ボストン近郊の自宅よりオンラインで登壇。 新製品の概要や特徴についてプレゼンテーションを行った。 「ルンバ j7+」と「ルンバ j7」は、「アイロボット史上最高の知能とデザイン性を兼ね備えた製品に仕上がっている」とコリンは語る。 さらに、研究開発チームにとっても、過去の歴代製品のなかで最も時間を費やした製品であるという。 2019年に発売した「ルンバi7」は、家の間取りを記録し、どの部屋をいつ掃除するかを指定できるものであった。 また、ルンバとの連携機能(Imprint Link)を持つ水拭きロボ掃除機「ブラーバ ジェットm6」を日本市場へ投入し、清掃体験の向上に努めてきた。 2020年には“ビースト(野獣)”と称したパワフルさが特徴の「ルンバs9」シリーズを発表。 同年夏には、ソフトウェアアップデート「iRobot Genius(アイロボット・ジーニアス)ホームインテリジェンス」を開始し、利用者のライフスタイルに合わせたパーソナライズな清掃体験を追求してきたわけだ。 そして、今回発表された「ルンバ j7」シリーズだが、コリンは「まさにアメイジングなロボットだ」と所感を述べた。 「『ルンバ j7』シリーズは、各家庭の生活習慣や清掃パターンをロボット自身が学習し、学び続けるものとなっている。これを可能にしたのが最新バージョンのソフトウェア『iRobot Genius3.0』で、ユーザーのライフスタイルに寄り添った清掃方法の提案や機能を提供できるようになった。そういう意味では、『ルンバ j7』シリーズはユーザーにとっての『パートナー』となれる技術と機能を搭載した実用的なロボットであると言える。さらには、世界での累計販売台数が4,000万台を突破しているからこそ、世界中のユーザーから多様な意見やフィードバックが集まり、データが蓄積されることで、いわば『ユーザー参加型AIロボット』として進化していけるのが大きな強みである」<購入してからがスタート。常に学び、進化し続ける> 続いて登壇したのが、プロダクトマーケティング&ストラテジー シニアマネージャーの山内洋氏だ。 同氏は「ルンバ j7」シリーズに搭載されているテクノロジーについて「今までの掃除体験を別次元に引き上げるもの」と説明した。 「お客様は何を求めているのかを常に念頭に置きながら製品開発をしている。そんななか、ロボット掃除機を使う際に床に物が多い環境ではうまく作動しなかったり、コードをあらかじめまとめておいたりと、『事前準備が大変』という意見を頂戴していた。そこで、今回の『ルンバ j7』シリーズでは清掃効率はもちろん、清掃方法についても徹底的に追求したモデルになっている」 「ルンバ j7」シリーズの最大の特徴となる機能が PrecisionVision(プレシジョンビジョン)ナビゲーションだ。 ルンバ初となるロボットの前面にカメラを搭載することで、「目の前の視界をリアルタイムに把握することが可能になった」と山内氏は言う。 これにより、清掃中に障害物を識別して回避し、途中で止まることなく掃除を続けることができるそうだ。 障害物として識別できるものはケーブルやコード、ペットの排泄物、靴下、スリッパなどがあるとのことだが、世界中のユーザーから、アイロボットの管理するクラウド上へフィードバックが寄せられるので、それをもとにデータベースが更新されていくことで、今後も障害物として物体検知するもの自体も増えていくそうだ。 「世界中から集まるユーザーのフィードバックによって、常にアップデートしていくというのは、すなわち『購入してからがスタート』だということ。そこから学習し、進化していくのがユーザー参加型AIロボットと呼べる所以であり、ルンバ史上最も賢い製品だと言える」<インテリアに溶け込み、“パートナー”のようなロボットになる> デザイン面については、プロダクトマーケティングスペシャリストの藤田佳織氏が説明を行った。 開発に際しては、「インテリアに溶け込むようなロボット」をテーマに、スタイリッシュでインダストリアルなデザインに昇華させたという。 「単なる生活家電ではなく、質感や素材などディテールにこだわったデザインが特徴になっている。無駄なパーツやつなぎ目をなくし、ボタンひとつだけにすることで、フラットで洗練されたイメージを彷彿とさせるものに仕上がっている。さらに、クリーンベース(ゴミ収集機)はルンバ初の横長タイプと一新し、収納に困らないのも特筆すべき点である」 最後にマーケティング本部 本部長 執行役員の山田毅氏が登壇し、ソフトウェアの進化について話した。 「iRobot Genius3.0は、ルンバが最高のパートナーになるように作られたオペレーションシステムだ。これまでは進入禁止エリアの提案などを利用者自身がマニュアルで設定していたが、『ルンバ j7』シリーズではロボットから提案してくれるオペレーションシステムへと進化している。ソファやキッチン周りといった箇所の部分清掃エリア指定の提案や外出した直後に掃除を開始する機能など、利用者のライフスタイルや生活パターンを認識し、最適化された清掃体験を可能にしている」 「ルンバ j7」シリーズは2月10日より順次発売される予定だという。 さらに、業界に先駆けて展開しているサブスクリプションプラン「ロボットスマートプラン+」でも、「ルンバ j7+」と「ルンバ j7」を試すことができるそうだ。 ロボット掃除機はさらなる進化を遂げ、生活家電の域を超えるほどの高性能な製品になっている。アイロボットが目指す「スマートホーム」実現に向けて、また一歩近づいたのではないだろうか。

 史上最も賢いルンバが登場 “パートナー”のような存在になる「ルンバ j7」シリーズとは

古田島大介